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意外と知らない山での法律

2020年7月16日

意外と知らないのが山での法律です。

って偉そうなタイトルを書きましたが、『登山者のための法律入門』という本を読みました。

山で法律?って思う方もいると思いますけど、そこに山があるからという気分で登っている人がほとんどだと思います。

山はみんなのものだと思ったり、事故が起きても自己責任とは当たっているようで、当たっていない部分もあったりします。

この本のポイント

  • 山には所有者がいる
  • 事故を起こした時の責任は誰に?

海外(もちろん世界全てではありませんが)と比較すると、日本の山は適当ということです。

適当ということは緩くて楽という意味でもあって悪いことばかりではありません。

でも、適当ということが日本での山の管理を難しくしているし、事故を起こした時の責任問題にも繋がってきているのです。

山は誰のもの?

答えは所有者のもの。

山はみんなのものではなく、所有者の土地に入らせてもらっていることで成立しているのです。

でも登山でそんなこと考えたことあります?

『ここは誰々さんちの山なんだよね』なんて。

個人的には土地所有者が明確ではないというか、管理者が登山口にでかでかと書いているわけではないので、人のものという感覚がないのだと思います。

例えば海や川は分かりやすくて、所有権ではなく管理権と言って国や自治体が管理しています。

沢や滝も同様。

日本の山は神社や寺が山に多くあるので、一部が私有地だったり、共同で持っている場合があるわけです。

国有地でも25%ほどに私有地があり、低山はまんま私有地のことが多いということです。

ということで日本での登山は、管理者の善意(黙認)でもってできているわけです。

だからこそ、所有者に甘えて、山菜を採ったり、花を摘んだりするのはグレーなんですよね。本当は窃盗だけど。

ぼくの実家がある埼玉県に『五常の滝』という場所があります。
公式:五常の滝

わりと近所に住んでいたのですが、この滝の存在を最近まで知りませんでした。

この滝は数年前までは無料で観ることができたようですが、管理団体に委託されたようで、今では有料になっています。

有料になって、景観が悪くなったとか、お金を払いたくないという書き込みをみます。

確かに森を壊して、変な建造物を建てるのはどうかと思いますが、結局は元の所有者が管理できなくなってしまった可能性があります。

人が多くなればゴミ問題などがでてきます。

近年は登山ブームで山の価値があがっています。

だから所有者はお金儲けができるわけで、今まで以上に山の管理に関してはうるさくなるかもしれません。

山をもっているだけでも維持費はかかりますからね。

ただ、現状は山って国も管理者も投げっぱなしなんですよね。

これは良くてあれはダメというのがわかりにくいし、後出しなのも気になります。

山での怪我の責任は?

山で怪我や死亡した時の責任は、誰と登っていたかによって変わってきます。

分かりやすく言うと、引率登山自主登山かということになります。

引率登山(山岳ガイド、講習インストラクター、教員など)の事故は引率者に責任が発生する可能性があります。

例えば、引率登山での事故として、トムラウシ山遭難事故では山岳ガイドに、那須雪崩事故では教員に責任が生じています。

自主登山(友達、山岳会など)の事故は自己責任の可能性が高くなります。と言うよりも、ほぼ自己責任です。

友達とスポーツでもして、相手が怪我をしたからってこちらに責任が来ても困りますよね。もちろん意図的に相手を怪我をさせたら責任はでてくるでしょうけど。

ツアー登山などの引率登山では事故なども増えてきているようですし、起訴数も増えているようですので、引率する方もレベル分けなどをしっかりやるべきではありますね。

山はみんなが登れるからこそマナーが必要

偉そうに言っちゃいましたけど、ぼくはまだ山に登りたいのです。

だからこそ、山の所有者に従う中で各自が最高の登山をすべきです。

みんながマナーを守らなければ、山も荒れ事故も増えるでしょう。

そうなったら、あなたの好きな山に登れなくなる可能性だってでてきます。

登山がこれだけ流行っているのだから、国ももう少し本腰を入れて、制度を作ってくれるとありがたいと思った次第です。

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